
元理事長×元住棟委員長×フロント担当者×営業担当者「マンション管理術」対談
vol.04 管理会社の変更(リプレイス)編

- 管理組合や住民のニーズに合わせた管理が満足へとつながっていく。
-
前理事長 パークシティ溝の口
レーベンコミュニティ パークシティ溝の口
所長
レーベンコミュニティ 営業担当者
INTRODUCTION
パークシティ溝の口(川崎市高津区)は、1,103戸の大規模マンションで「パークシティ」シリーズの第1号物件。竣工当初から36年間管理をしていた管理会社からレーベンコミュニティに管理会社を変更しました。
住民目線のサービス品質を持つ管理会社へ変更
- インタビュアー・小久保沙織さん(以下 小久保氏):
- 管理会社の変更を考えられたきっかけを教えてください。

- 前理事長
- 直接のきっかけは、2017年6月頃、「管理防災センター」という住民向けサービス窓口で、管理費等とは別の各種小口諸費用の支払いに関して、電子マネーによる支払に一本化することが一方的に通知されたことでした。当時の管理会社の社内方針で、キャッシュレス化を決定したということでした。管理組合に事前の相談も無く突然の通知であったため、管理組合から話し合いを申し入れましたが、既に決定事項であるとして応じてもらえませんでした。さらに、従来から管理防災センターの対応が事務的で住民目線になっていないなどの不満が溜まっていました。また、近年、少しずつですが管理コストが確実に増加してきていました。修繕積立金の不足が確実に予想されていたことから、管理コストはなるべく削減し、修繕積立金と管理コストを合わせた管理組合の総支出を抑える必要が大きかったことも大きな理由です。住民アンケートを取ったところ、競争原理を働かせて、サービス品質を落とさず、管理コストが削減されるなら管理会社を変更しても良いとの意見がかなりの割合を占めたことから、管理会社の見直しに向けた動きが一気に進んでいきました。
- 営業担当者
- 私が最初にマンションを訪問してお話しを伺ったとき「管理組合のニーズに合わせるのではなく管理会社の都合による運営がされている」という印象を強く持ちました。

- 小久保氏
- 管理会社の変更はスムーズにいきましたか。
- 前理事長
- 新築から36年間、毎年契約更新して同じ管理会社に業務委託してきたという経緯と実績、企業規模やブランドに安心感を覚えている住民も多かったと思います。また、検討期間が半年間と短すぎるのではといった意見もありました。失礼ながら、レーベンコミュニティさんの企業規模、大規模マンションの管理実績への不安等から、反対する住民も少なからずいました。2017年度の理事会で、候補会社3社に見積もりとプレゼンテーションを実施してもらいました。住民に対する説明会を数回に渡り実施し、意見交換を重ねました。賛成派と反対派の議論など、それなりにいろいろありましたが、最終的に2017年6月の定期総会で管理会社変更が正式承認されました。会社変更決定後3か月間、管理会社変更の引き継ぎ期間を設けました。引継ぎの際に、個人情報保護を理由に前管理会社が管理していた管理費等の口座引き落とし情報や組合員名簿・入居者名簿などの情報の引き継ぎができませんでした。再度、ゼロから全住民の情報を取り直す作業が必要になり、かなり大変でしたが、レーベンコミュニティさんの全面協力もあり、何とか乗り越えることができました。




管理コストを削減しながら住民のニーズに応える



- 小久保氏
- レーベンコミュニティに変更して改善されたことを教えてください。

- 前理事長
- まず、第一の目的であった、管理コストの大幅な削減を実現することができました。一方、住民からはサービス品質が低下することを懸念する声が多かったので、そのようなことが無いように、レーベンコミュニティさんと管理組合とが協力して、委託業者の選定や業務内容に関しても、慎重に吟味しながら進めました。また、業務委託に関する分科会を設置し、引継ぎ作業や委託契約の内容、コスト管理などのチェック機能を持たせました。
- 管理防災センター所長(以下 所長):
- その際は管理組合役員の方々だけでなく、専門委員会の皆様からも色々とご指導頂きありがとうございました。お陰様で管理組合や住民の皆様のニーズを早期に把握することができ、確実にサービス品質を向上させることができたと自負しています。

- 前住棟委員長
- 管理会社の変更に合わせて、管理防災センターを改装して、明るく綺麗で開放的になったのはとても住民の評判が良かったですね。
- 営業担当者
- 私が初めて管理防災センターの窓口にお伺いしたときは、内部が見えないように仕切られていて閉鎖的な印象でした。
- 前理事長
- 昨年度中、管理会社変更後、窓口の対応が非常に良くなったという意見を多く聞きました。以前より窓口を訪れる住民の方も増えたと思います。当マンションも住民の高齢化が進んでいますので、相談しやすい窓口があるということは非常にありがたいです。また、役員としては、スタッフの方々が月に1度の理事会をはじめ、各種分科会・専門委員会などの会議に出席し、各種サポートをして下さることは大変ありがたいと思っています。前の管理会社でも、理事会や分科会への出席やサポートはありましたが、レーベンコミュニティさんになってからのサポート頻度、内容は大いに改善されました。その分、スタッフの方々は、週末勤務が増えて、大変だったのではないかと思っています。
- 所長
- いつでも皆様と直接お話しできるので私たちも非常に助かりました。社員常駐型の大規模マンションならではのメリットですね。

- 前理事長
- 管理会社変更の総括として、レーベンコミュニティさんの業務開始半年後の2018年4月に全住民を対象に満足度調査を行いましたが、管理会社を変更したことに対して「満足」と「おおむね満足」が74%、「不満」と「やや不満」が4%という結果でしたから、管理会社の変更は我々パークシティ溝の口の住民にとって非常に良い結果だったと思います。
-

-
パークシティ溝の口管理組合
2017年度(第36期)前理事長
- 2016年度から2年間管理組合役員を務める。2016年度は修繕担当役員として管理会社変更には反対していたが、2017年度に理事長に選任されてからは管理会社の引継とスムーズな移行を最優先課題として取り組んだ。
-

-
パークシティ溝の口管理組合
2017年度(第36期)前住棟委員長
- 管理会社変更のタイミングで2,500名を超えるマンション住民の代表として選任された。
-

-
レーベンコミュニティ
パークシティ溝の口所長
- これまでの管理会社変更マンションの管理経験を活かし、パークシティ溝の口など大規模マンションを統括している。
-

-
レーベンコミュニティ 営業担当者
- フロント担当10年の経験を活かし、お客様の要望に沿った提案を心がけている。
-

-
インタビュアー 小久保沙織さん
- 女性の悩みに寄り添うサロンとして、ヨガ・リンパマッサージ・発酵スクール(unico)代表を務める。
二児の母であり、お子さんやママ向けのレッスンを幅広く活躍している。
Page Top